設計から予算を動かす側になるには?

設計からデベロッパーへの転職は、大手への直行が狭き門。予算を動かす側に行きたい20代の相談に、CM会社を経由するルートや用地仕入れという道を整理します。

空き地から完成したビルまでの街区全体を、タブレットを手に見渡す若手のイラスト
ご相談

ご相談者の情報

年代
20代
職種
建築設計
業種・勤務先
まちづくりコンサル
経験年数
3年目
これまでの経歴
まちづくりコンサル 約2年 → 社内の建築設計部門へ

大学院を出て、官公庁の案件を中心に扱うコンサルティング会社に入りました。2年ほど、公共施設の再編や駅周辺の整備、官民連携の事業可能性調査を担当しています。提案書を作るときは、見積から工程、提案内容まで自分で組み立てました。市民向けのワークショップにも年に10回ほど出ています。

今年から、自分の希望で建築設計の部門に移りました。学校や宿舎の改修設計をやっています。

ただ、設計を極めたいわけではないことも、はっきりしてきました。やりたいのは事業の上流です。予算を握る側で、土地の仕入れから事業を動かすところに関わりたいです。数字を動かすのが好きなのだと思います。ここを動かすとここがずれる、という感覚が面白いんです。

転職活動は始めたばかりです。年度の替わり目を目安に考えています。

この状況に対してなにかアドバイスがあればお願いしたいです。

専門家のアドバイス

PMとCMは、見ている範囲が違う

土地、予算と事業性、設計、工事、竣工の5段階のうち、PMが予算の段階から竣工まで、CMが工事から竣工までを担うことを示した図

まず言葉の整理からです。

CM(コンストラクションマネジメント)は建設工事のマネジメントで、工事が始まってからの品質、工程、コストを見ます。PM(プロジェクトマネジメント)はその手前から入り、予算と事業性まで含めて判断します。やりたいこととして挙げられているのは、PMの領域か、その先の発注者そのものです。

大手デベロッパーへの直行は、想像以上に狭い

大手のデベロッパーに中途で入る枠は、第二新卒のポテンシャル採用が中心です。倍率は相当なものになります。

学歴と経歴が揃っていても書類選考に通らないことがあります。ここだけを狙うと、時間だけが過ぎることになりかねません。

民間のCM会社を経由するルート

大手デベロッパーへまっすぐ続く細く急な階段と、CM会社を経由してゆるやかにたどり着く道を比べたイラスト

現実的な進み方として、民間のCM会社でPMや営業を経験してから、デベロッパーに移る道があります。

このルートの良いところは、必要な経験を積む過程でご相談者様がCM会社の仕事を面白いと感じられそうな点です。CM会社の営業は、案件をゼロから取りに行く動きと、既存の顧客から次につなげる動きの両方があります。数字を組み立てる仕事という意味では、希望の内容とも重なります。

そこで発注者側の目線と事業の数字を身につけてから次の転職活動を行うと、デベロッパーからの選考における見られ方が変わります。

用地仕入れという適性

もうひとつ、準大手や中堅のデベロッパーで用地の仕入れを担当する道があります。

土地を探し、数字を組み、社内を通して買う業務は、数字を動かすのが好きな相談者様のご希望に近いと感じます。公共の案件で行政と調整してきた経験も、用途や規制の判断で活きます。

応募の仕方を変える

今のご経歴は、書類だけで評価すると読みにくい部類に入ります。コンサルから設計へ社内で移り、そこから発注者側を目指すという流れは、補足説明なしでは企業に魅力が伝わりづらいかもしれません。

そのため、転職活動は企業の採用サイトから履歴書を送るのではなく、企業に推薦して交渉してくれるエージェントを選んでください。経歴の順番を説明してもらえるかどうかで、結果が変わります。