内装のキャリアなんて意味ないと友人に言われました・・・

「内装のキャリアなんて意味ない」は本当か。ゼネコンに移るべきか迷う内装の20代の相談に、カフェの設計という目的から逆算した進み方を整理します。

内装工事中の小さな店舗で、脚立と工具箱、造作カウンターの木下地が見える様子
ご相談

ご相談者の情報

年代
20代前半
職種
施工管理と設計
業種・勤務先
内装の設計施工会社
経験年数
入社2年目
担当している内装
店舗・オフィス・物販ブース

新卒で内装の設計施工の会社に入り、2年目です。10人ほどの会社で、施工管理をやりながら図面も描いています。物販のブース、店舗、オフィス。天井の解体から床、壁、サインまで、元請けとして一通り手配します。造作家具の図面を描くこともあります。

将来はカフェの設計をやりたいと思っています。人の生活に近いところで、実際に使われる空間をつくりたいです。大規模な案件は1件が長すぎて、自分には合わない気がしています。

迷いの発端は、大手ゼネコンに行った友人の一言でした。内装のキャリアなんて意味がない、ゼネコンで経験を積んでから設計に行くべきだと言われ、彼の会社にも誘われています。痛いところを突かれた感覚が残っています。

残業が月200時間を超えた月もありました。給料も高くはありません。若いうちにお金と時間の余裕をつくって、海外を見たい気持ちもあります。

どのようにすればいいのか、アドバイスをいただきたいです。

専門家のアドバイス

内装の経験は、無駄になっていません

まずはじめに、内装の現場経験は貴重です。所詮C工事だと切り捨てる必要はまったくありません。2年目で元請けとして下請けや大工を手配し、解体から仕上げまで見る経験を積んでいる同年代はそう多くないです。その上で、進みたい先が違えば、正解も変わります。

ゼネコン設計は、途中で入るのが難しい職種

中途でゼネコンの設計職に就くには、RCの施工経験と一級建築士がほぼ必須です。新卒の配属で設計に入るのとは条件が違います。

さらに言えば、ゼネコンの設計から設計事務所に移った例は、多くはありません。つまり、設計に近づくつもりでゼネコンに入っても、結果的に設計事務所には到達できない可能性もあるのです。

ゼネコンに移ること自体は悪い選択ではありません。待遇は良くなりますし、生活の安定性という観点では有利です。ただ、それはカフェの設計とは全く別のゴールになります。

目的から逆算する

工事の仕上げ段階にある、木の造作カウンターとペンダント照明のある小さなカフェの店内

やりたいことがカフェの設計であれば、内装設計の経験を活かして動くほうが近道です。

例えば、店舗設計を手がける会社、商業空間をやっている会社などです。今の経験がそのまま評価される可能性が十分あります。

ビル1棟の再生という選択肢

コンクリートの躯体がむき出しの部分と、内装が仕上がりつつある部分が並ぶ、改修中のビルのフロア

もうひとつ、内装と建築の両方に関われる道があります。

既存のビルを1棟まるごと再生する会社です。用途を変えて、躯体に手を入れて、内装まで自社で行います。内装の経験を持っている人が躯体を学べる環境で、独立を考えたときにも経験を活かすことができます。

今の経験を捨てずに、建築側の知識を足せる。相談者様の関心の方向から考えると、ここがいちばん現実に近いのではないかと思います。

ただ、経験年数が短いこと、資格がない点もあり、いきたい企業に入れるかは別の話となります。なので、今話したキャリアの方向で、一度エージェント経由でどんな企業の選択肢があるかを、確かめることをお勧めします。